気象予報士の航空気象 ノースウエスト機  銚子沖で何があったのか?

*All archives   *Admin

2009.02.22 (Sun)

ノースウエスト機  銚子沖で何があったのか?

20日夜のNHKニュースがyoutubeにUPされていました。


ノースウエスト乱気流

ニュースをまとめると

日時
  2月20日正午前

型式
  B747-400

場所
  成田空港進入待機中、千葉県銚子南約60km(33NM)VENUSポイント

気象
  気圧配置は二つ玉低気圧型  日本列島の南北を挟み込むように低気圧が通過する型
                全国的に大荒れ、悪天
  寒冷前線通過中、成田は南風から北風、滑走路変更

概要
  ・滑走路進入方向変更で当該機は上空待機中、待機時間は6分程度(1週半)
  ・ベルトサインが点灯して、ベルトをつけはじめた直後らしい。
  ・急激な降下、あたま打つ、客室乗務員も多数ケガ
  ・緊急宣言なし、優先着陸は実施せず
  ・第一報はけが人1,2人、実際は40人以上、救急体制確立遅れる。


ASASノース9時
地上天気図20日09時




 典型的な二つ玉低気圧です。気象の教科書にも出てくる典型的な悪天を意味する天気図型です。本州をはさんで日本海側と南岸を低気圧が通過し、日本の東海上でひとつになり急激に発達します。その際、悪天は広範囲におよび、天気の変化は非常に早いのが特徴です。


700ノース9時
700hpa高層天気図20日09時
850ノース9時
850hpa高層天気図20日09時


 顕著な南東暖湿流、等圧面の後面に寒気移流が認められ、前線が発達する材料はばっちりそろっています。その他高層天気図においても、渦管が西に傾いていたり、低圧部前面に上昇流・後面に下降流など低気圧が発達する条件ばかりで、気象予報士お勉強するかたにとってはよい材料になる天気図の型でしたよ。アーカイブなら北海道放送とかもちろん気象庁などにもあるので、気になる方は検索して見てください。


 結果、15時にはこんな気圧配置になりました。

ASASノース15時
地上天気図20日15時



 マニラ発ですから、約4時間前の日本時間8時ごろ出発、天気図を確認したのは日本時間の6-7時ぐらいでしょうか。航空機を出発させる権限を持つ部署には気象のプロがいると聞いたことがあります。ですから、関東が大荒れになることは予想はできていたでしょう。

日本時間午前6時に発表された成田空港の天気予報
192124 03006KT 4000 -RA BR BKN008 BKN020
     TEMPO 1921/1924 1500 RA BR BKN003 BKN015
     BECMG 1923/2001 16004KT
     TEMPO 2000/2003 16016G28KT 2000 RA BR BKN005 BKN015
     BECMG 2004/2006 25012KT 6000 NSW BKN015 BKN030
     TEMPO 2015/2024 30016G28KT

 訳 (今後、METAR/TAFの解読方法もUPします。)
20日午前6時から21日午前9時までの予報
     北東風12メートル 視程4000m 小雨 低い曇り空 
     6-9時の間 時々 視程1500m 雨
                 滑走路が見えないかもしれない低い曇り空
     8-10時にかけて 南風2メートルに変化
     9-12時の間 時々 南風強風 視程2000m 雨
                 滑走路なんとか見える低い曇り空
     13-15時にかけて 西風に変わり、顕著な天気なし(すなわち前線通過後)
     24時以降      北風

 METARを確認すると、ほぼTAF通りに天候が変化し、正午前後に南風から北西風へRW16から34に変更しています。気温も急激に下がり、寒冷前線の通過がDATA上からもわかりました。
         

 直前の気象庁・各航空会社が共有している各空港の揺れの情報を受けとり、早めのシートベルト着用指示をして、機上のウェーザーレーダーを起動して進入していくのが、20日の進入方法だと考えます。


 20日正午ごろの気象レーダー画像の入手ができなかったので、NHKの画像をUPさせていただきます。ごめんなさい、悪用しません。
20日レーダー
20日気象レーダー NHKニュースより



 客観的に見て、悪天であることは出発前から予想できました。また、進入降下中にレーダーに反応する対流性の雲の発見もできていたと考えます。あるワイドショーでは、CAT(晴天乱気流)と報道していましたが、晴天乱気流ではありません。

 気象の観点を解析すると、20日の天候は
①予想できた悪天
②滑走路方向が変更することも予想できた。
③寒冷前線の通過なので降下中の揺れは予想できたし、午前中からの他機の情報にも揺れがあったことは確実

 では、なぜ、事故が起きたのか???

明日に続く。。。




FC2 Blog Ranking

にほんブログ村 環境ブログ 天気・気象学へ
にほんブログ村






スポンサーサイト
16:30  |  航空機  |  TB(0)  |  CM(0)  |  EDIT  |  Top↑

コメントを投稿する


 管理者だけに表示  (非公開コメント投稿可能)

▲PageTop

この記事のトラックバックURL

→http://weathereucalyptus.blog115.fc2.com/tb.php/25-3e218cf3
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)

この記事へのトラックバック

▲PageTop

 | BLOGTOP |