気象予報士の航空気象 着氷とは?その生成原因

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2009.02.26 (Thu)

着氷とは?その生成原因

 水蒸気や過冷却水滴が物体にぶつかった瞬間に凍りついてできた氷、またはその現象を”着氷”と言います。

 着雪が航空機に関係ないと昨日書きましたが、まったくないというわけではありません。

 高速飛行中の物体に着雪はほぼ起きにくく、地上待機中に積もった雪などはお湯や除氷液で剥ぎ取り、防氷液で摩擦が軽減された翼に雪はずり落ちやすいという理由から着雪しにくいのです。

 しかし、着氷との混合した状態では、話が別です。考え方は着氷に分けてもいいと考えますので、着雪が航空機に影響はまずないと考えていいと判断しています。

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着氷の特集は、
①着氷とは?その生成原因
②着氷が航空機に及ぼす影響
③過去の航空事故

以上の3部でUPする予定です。


①着氷とは?その生成原因

 着氷とは、文字通り”凍りつく 氷着く”ということです。気象用語の過冷却水滴(冷やされすぎた水滴)が、飛行する物体にぶつかると凍りつくことです。
 過去の理科の実験で過冷却水をシャーレーの上にこぼすと、氷筍のような氷の塔ができる実験をしたこはありませんか?

YOUTUBEで見つけましたので、Linkします。
過冷却水の実験

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 冷やされた液体はすぐには凍らず、何かの衝撃があった際に一気に状態変化をすることは化学を勉強するとわかります。
 細かい話がわからなくても、一見は百聞に如かずです。「過冷却水」で検索エンジンにかければ、実験方法や動画が見られるでしょう。

 着氷が起こりやすい温度は-3~-10度くらいだそうです。過冷却水滴、いくら冷やしすぎといっても-10度以下では氷になってしまいやすく、量も少なくっていくようです。

着氷が発生しやすい空域
①対流性の雲、Cu、Cb
着氷 対流雲


②前線性の雲域
着氷 前線雲




着氷タイプ
①霜 (frost)
 地上待機中の飛行機に発生しやすい。飛行機の翼には燃料が入っていて、それが空中で冷やされ、地上で待機中に霜がつく例が多い。霜は砕けやすく発生場所がごく一部で、翼の形状を変えるまではいかないようで、それほど危険ではない。

②樹氷(rime ice)
 空気の泡を含み白い氷で、樹氷や凍った滝の氷に近い。もろく表面がざらざらしている。もろいので防除氷装置で取り去りやすい。

③雨氷(clear ice glaze)
 硬くて光沢のある氷で、冷蔵庫の中でできる氷がこれに近い。大量の過冷却水滴があると、数分で成長する。硬く取り去りにくく、翼の形状を変化させるため非常に危険。

着氷のタイプ


 夏場、高空で過冷却水滴が発生しやすい温度、夏ではかなり高い空度を飛行し、着氷に遭遇した事例が報告されていますが、もともと高空には水分の絶対量が少ないことと、降下すればなんとかなるという位置エネルギーの余裕と、降下すれば気温が上昇し着氷が取り去られやすいことから、おおきな事故は起きていないようです。

 冬場、日本海の雪雲や前線性の雲中を10000-15000ftあたりで飛行する際、着氷が起こっている事例が多数報告されています。
 地上気温が0-5度、1000ftおよそ-2度なので、2000ft-8000ftで危険な温度、-3~-10度にあたります。低空での着氷は致命的な場合が起こりえます。

 ニューヨークのQ400の事故も着氷なのかと考える理由ですね。


次回は、「着氷が航空機に及ぼす影響」です。



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16:08  |  雪氷  |  TB(0)  |  CM(4)  |  EDIT  |  Top↑

こんにちは。^^

読んだ感想なんですが、

着氷と着雪が複合的に発生するというのはどういう状況でしょうか?そこがいまいちよくわかりません。

雲の中では上層雲から落ちてくる氷晶が種となって、その下層の過冷却で構成される雲粒が氷晶となり、お互いがくっついて雪になるということを聞きます。
ということは、雲の中では過冷却水滴の層は、雪が生成される層よりも上層にあることになります。

着氷する可能性としては、過冷却水滴で構成された雲を航空機が通過することですが、着雪と着氷が複合的におこるということは、先に着氷があり、後に着雪が起こる。つまり、離陸体制に入ってから後、ということになるのかな、、、と考えました。

結論を急ぎすぎですかね・・・?^^;;
過冷却水滴と雪の結晶の生成(~着雪)とは、それほど切り離せない話だと思いますが、こちらでは着氷に話を限るとのことですので、ひとまず先の話を待ちます。
とても楽しみです^^

*先日は飛行機の揺れの予想をしていただきありがとうございました。
こちらは少しゆれた程度でなんともありませんでした。<(_ _)>
着いた直後にオランダで墜落事故がありましたので、すごく驚きましたよ。^^;
たまにゃん@出張中・・・ |  2009年02月27日(金) 00:36 | URL 【コメント編集】

★そのとおりです。離陸滑走中のことです。

 着雪と着氷の複合とは、書かないほうが良かったのかもしれません。駐機場で防除氷液をまいて、雪氷をほぼ完全に排除し防御できます。
 しかし、大雪の日は当然誘導路にも雪氷があり、飛行機はゆっくりゆっくりタクシーしなければいけません。そうすると、せっかくまいた防除氷液の効果が薄れ、翼面にはシャーベット状の雪が付着し始めます。その後、それが凍りつくことによって、著しく揚力を失い、効力が増します。

 以上のことが、着雪と着氷の混合タイプと勝手に私が考えていることです。ということで、ほぼ着氷の部類に入ると考えています。

 ご指摘ありがとうございます。
瑞翔 |  2009年02月27日(金) 03:37 | URL 【コメント編集】

★着氷はおそろしいですね

気象の本をよんでいて、飛行機の着氷の話がでていたので、
調べていてここにたどりつきました。
着氷についてはわかったのですが、飛行機にはそれを防ぐためのしくみがいろいろあるようですが、どのようにして防いでいるのかがわからず、いろいろ調べているところです。
まあ、そこまでくると気象ではなくなるのかもしれませんが。
いろいろ参考になりました。
ありがとうございます。
mkd(ピンポイントplus) |  2011年05月04日(水) 09:19 | URL 【コメント編集】

★防除氷装置

コメントありがとうございます。
飛行機の防除氷装置は熱で溶かすものが主流です。
車と一緒、機構が簡単なのでコストが安い。
翼の前縁を風船のように膨らませて、氷を割るという装置を本で見たことがあります。

気象から離れていますが、実用品を知ることによって得るものもあると思いますよ。
瑞翔 |  2011年06月08日(水) 21:47 | URL 【コメント編集】

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