気象予報士の航空気象 3つのシナリオ

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2010.04.23 (Fri)

3つのシナリオ

【オピニオン】アイスランド火山噴火の3つのシナリオ
4月22日11時36分配信 ウォール・ストリート・ジャーナル

 ミチオ・カク

 アイスランドの火山噴火は、いつまで続くのか?

 欧州に被害が拡大するなか、多くの人がこの質問を繰り返し、航空便の運航再開を祈り続けている。

 今回の噴火は、風向きと氷山という2つの条件が重なったことで通常レベルの噴火が危機的状況へと発展した、いわゆる「パーフェクトストーム」だ。この火山は先月にも噴火しているが、被害はなかった。だが先週、マグマの新たな湧出経路ができた。今度は氷河の下だ。熱いマグマと氷が接触すると、たちまち水蒸気が噴出し、ケイ酸塩鉱物を含む火山灰が大量に飛散した。さらに水蒸気が急激に膨張したことで、大規模な爆発が発生。渦巻き状の雲となった火山灰は3~5マイル上空まで吹き上げられ、欧州を覆った。爆発は現在も絶え間なく続いている。

 次に何が起こるのか?考えられるシナリオは以下の3つだ。

 1) 最善のシナリオは、今後数日中にマグマが枯渇するか、氷河がすべて溶けることだ。氷がなくなれば爆発は平常レベルに戻る。科学者は氷河がどれだけ残っているのかを分析するために飛行機を使って調査を実施しようとしたが火山灰雲のために離陸できなかった。

 2) 最も可能性が高いシナリオは、同じ火山が前回1821年に噴火した際と同じ経過をたどる、というものだ。前回の噴火は13カ月にわたって断続的に続いた。もしこのシナリオ通りになれば、欧州の航空会社は数週間から数カ月にわたって気をもむ羽目になるだろう。飛行機は一定の方向にジェット気流が吹いているときにだけ運航されることになる。このシナリオによると、パイロットは、飛行機のエンジンを止め、ウィンドシールド(コクピット前面の窓)を外が見えなくなるほど曇らせてしまう火山灰との遭遇を恐れ続けることになる。1980年代以降、火山灰に直面した飛行機は90機程度。そのなかでエンジン停止に至った4機のうち1機があやうく墜落しかけた。

 3) 最悪のシナリオは、可能性は低いが、今回の噴火が引き金となって、別の大きな噴火が発生するというものだ。アイスランドには35の活火山があるため、いずれかが噴火すると続いて別の火山が噴火することはよく知られている。この最悪のシナリオが現実となった1783年には、8カ月にわたって噴火が続いた。アイスランドの畜産業や農業は壊滅的な被害を受け、国民の4分の1が命を落としている。

 このように火山は災害をもたらすが、命の源でもある。空気や大地も元をたどれば、はるかいにしえの火山の噴火に行き着く。6500万年前の(人類誕生の道を開いた)恐竜の絶滅も、小惑星の衝突と火山の噴火が同時に起こったことが原因とされる。

 一説によると、人類の99.9%が遺伝学的に同一であるという事実は、約7万前に起こったインドネシアのトバ火山噴火にさかのぼるという。この噴火で人類は激減し、生き残った数百人がわれわれの祖先になったという説だ。そう考えると、人類の進化と存在そのものは火山のおかげともいえる。

 今回のような災害に対処するために、しなければならないことは多い。まず、噴火に対応するための統一された厳格な国際的方針が必要だ。欧州連合(EU)は今回の事態に不意を突かれた格好になった。各国があらゆる手を尽くして自国の航空業界を救おうとするほどに、無用な混乱がひろがっている。

 また現時点ではほんの一握りの科学者に委ねられている火山の予備調査をもっと積極的に実施すべきだろう。大西洋を二分する巨大な裂け目であり、北米大陸を欧州やアフリカ大陸からゆっくりと遠ざけている大西洋中央海嶺の上に位置するアイスランドには、特に注意が必要だ。

 また飛行機のウィンドシールドを、火山灰で視界が曇ることのないよう強化し、エンジンへの被害を防ぐ高度なフィルターを開発するため、調査を重ね、新技術を活用しなければならない。

 得てして人は、高度なテクノロジーを持つ人類こそが偉大な存在だと思いがちだ。だが母なる地球にとって、人間のうぬぼれをくじくことなどわけないことだろう。

 われわれに求められるのは、自然が引き起こす災害をいたずらに恐れるのではなく、深く理解し、原因を究明し、うまく対応していくことだ。

 (カク氏は、ニューヨーク市立シティカレッジの理論物理学教授。著書に「Physics of the Impossible (Doubleday, 2008)(邦題:サイエンス・インポッシブル―SF世界は実現可能か)」がある。サイエンスチャンネルの番組「カク博士のSF研究室」のホストも務める)
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15:54  |  時事  |  TB(0)  |  CM(2)  |  EDIT  |  Top↑

★思わず

読み入ってしまいました。
やはり人類の最も恐れるものは急激な自然の変化なんですね。


人類が高度成長を遂げたといってもほんの数百年。自然の何万年という歴史に比べたらちっちゃいものですね。


早く噴火が止まることを祈るのみです
カズマルガリータ |  2010年04月25日(日) 19:11 | URL 【コメント編集】

★このまま続くかと思いましたけど、

最悪のシナリオは回避されました。
瑞翔 |  2010年04月28日(水) 23:18 | URL 【コメント編集】

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