気象予報士の航空気象 27日のFBJP 解説

*All archives   *Admin

2009.03.28 (Sat)

27日のFBJP 解説

 日本の上空には寒気が滞在しており、一昨日の朝には横浜のあたりで雪が降ったとニュースで報道していたのを記憶しています。昨日の関東地方は午前中は穏やかな晴れ、昼過ぎより曇り始め、ところどころ雨が降ったようです。

ASAS27MAR00Z.jpg
地上解析図 27日午前9時

可視画像27MAR06Z
可視画像 午後3時

500hpa27MAR00Z.jpg
500hpa 高層天気図 27日午前9時

700hpa27MAR00Z.jpg
700hpa 高層天気図 27日午前9時

850hpa27MAR00Z.jpg
850hpa 高層天気図 27日午前9時


 今日は、昨日のFBJP VALID(有効) TIME 06Z(午後3時)の天気図を用いて、解説したいと考えています。

注意:それぞれの解析図などは、ブログ用に編集してありますので生データではありません。

FBJP27MAR06Zその1
FBJP 27日 有効午後3時まで

FBJP27MAR06Zその2
拡大・編集図


関東の山岳波
 茶色の斜線は山岳波を意味し、180/20は高度FL180-2000ft(5500m-800m)にて山岳波の影響を受けることを意味しています。

 関東の山岳波の原因は、富士山です。よーく見ると、関東に広がる円弧の中心は伊豆半島の上、すなわち富士山になっているのです。

 富士山といえば、富士山頂気象観測所!以下、ウィキペディアから引用。

富士山頂気象観測所
 1936年、風の観測条件を考えて日本最高峰の剣ヶ峯に富士山頂気象観測所として移設。これは当時世界最高所の常設気象観測所となった。高山気象観測を目的に気象観測を行った。これによって、日本上空を流れる偏西風の謎の解明や高山気象における基礎的データが収集された。現在は、モンスーン気候の長期的変動を捉えるために、中国南部の山間地に自動気象観測点を国際協力で設置しているが、これらの経験を元にしたものである。

富士山レーダー
 1964年、日本に接近する台風を観測することを目的としてドーム形レーダー(通称:富士山レーダー)が設置され運用を開始した。このレーダーサイトは、日本では富士山が標高が一番高く単独峰であったため、レーダーの視野を最大にすることが可能であることから設置されたものである。半径700Kmと広範囲の積乱雲を捉えることができるため、台風観測に威力を発揮し、現在の台風予報の基礎的データ及び予報精度の向上に寄与した。また富士山頂のシンボルとして登山者にも親しまれた。

測候所閉鎖とその後
 各種観測は気象衛星の発達による精度向上と観測時間間隔の増加などによりレーダー観測は必要性を失った為、1999年レーダー観測廃止。2004年に自動観測装置が設置され無人施設となり気象観測(気温、気圧、日照時間(夏季のみ))を継続して行っている。


 富士山頂の風向・風速はわからないので、近所の浜松の高層観測よりデータを拝借。

27日の午前9時観測
-----------------------------------------------------------------------------
PRES  HGHT TEMP DWPT RELH    MIXR    DRCT  SKNT
  hPa    m    C    C    %   g/kg   deg   knot    
-----------------------------------------------------------------------------
670.0  3275  -12.1   -44.1   5     0.11   281    55  
628.0  3769  -12.3   -49.3   3     0.07   282    64
517.0  5225  -22.7   -51.7   5     0.06   285    92

富士山の山頂は3776m よって、風向・風速は282度 64ノット 気温ー12.3度 露点ー49.3度

1・富士山3776mはおよそ12400ft、1.5倍は約18000ft。気象の専門家がデータに基づいて出しているのでしょう。なぜなら、いつも上限はFL180。

2・低層の2000ft以下は地表の摩擦の影響で山岳波の影響は小さい。これまた、いつも下限はFL20です。

上記、2点の理由から山岳波の影響が出る高度はFL180-20となります。


北陸地方の低層対流雲

エマグラム27MAR00Z
輪島のエマグラム 27日午前9時

 気圧配置は冬型なので、日本海側に雪雲が発生します。

小松空港のmetar
270722Z 29006KT 250V320 9999 -SHRA FEW008 BKN015 BKN020 06/01 Q1018 RMK 1CU008 5CU015 7CU020 A3006 1CU008 W-N
午後4時22分 西北西12メートル 視程10km以上 小雪 気温6度 露点1度

富山空港のmetar
270700Z 18008KT 8000 SHRASN FEW008 SCT015 BKN030 02/01 Q1017
午後4時 南風4メートル 視程8km みぞれ 気温2度 露点1度

 輪島のエマグラムより、雲高は4200m・14000ftとなります。だいたいあたり。よって冬場の対流雲なので、揺れ・着氷に警戒が必要となります。


FL300・140ktのジェット軸の下層
 北陸・新潟上空のCAT(晴天乱気流)の高度はF210-250は、ジェットの下層でいつもこのくらいの高さで注意を呼びかけています。
 航空気象のなかで、ジェットの下層 5000-10000ftは常に警戒が必要となります。憶えておいて損はありません。

詳しくは、過去のブログ ←クリック

 実際に、FBJP106においても、該当する高度においてシアーがでています。

FBJP10627MAR09Z改
FBJP106 27日午後6時予想
 
 FXJP106から考えると、12kt以上15kt未満を含む09kt以上のシアー域は、12000ft~FL170とFL190~260に存在します。

 気象庁のスパコンがたたき出した値は午後6時の予報であることと、空域のズレが多少なりともありますので、まぁこんなものでしょう。

 もともと、FBJPはさまざまな解析図を元に予報官の主観が入っているので、スパコンがたたき出した値に対しズレは生じます。大気の現象を物理方程式に当てはめて、スパコンに計算をさせていますので、スパコンが正しいわけではありません。

 予報官の経験とインスピレーションのほうが当たるかもしれません。


 航空気象って、奥が深いですね。


 今日の運航では、関東を限定すると、おそらく離陸後およそ10-15分、着陸の15-20分の間はベルトサインが点灯して揺れの中の上昇降下になるでしょう。トイレはお早めにってね。

 同じ空域を上昇降下し通過する場合、降下・着陸のほうが降下率が小さいため離陸・上昇より時間が約5分ほどかかります。計算したり、フライトシミュレーターで検証すればおおむね5分の差になります。巡航中はおおむね安定だと考えます。


ブログランキングに参加しています。
にほんブログ村 環境ブログ 天気・気象学へ
にほんブログ村
応援クリックをおねがします。


以下、アフィリエイトサイトです。





スポンサーサイト
01:11  |  気象・天気  |  TB(0)  |  CM(0)  |  EDIT  |  Top↑

コメントを投稿する


 管理者だけに表示  (非公開コメント投稿可能)

▲PageTop

この記事のトラックバックURL

→http://weathereucalyptus.blog115.fc2.com/tb.php/62-51ce5b16
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)

この記事へのトラックバック

▲PageTop

 | BLOGTOP |