気象予報士の航空気象 庄内空港のオーバーラン

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2012.12.09 (Sun)

庄内空港のオーバーラン

 昨日の夜、山形の庄内空港でオーバーランがありました。

以下、時事通信参考。

『全日空機がオーバーラン=けが人なし―山形』
時事通信 12月9日(日)0時45分配信

 8日午後10時半ごろ、山形県酒田市の庄内空港で、羽田発同空港行き全日空899便(ボーイング737―800型)がオーバーランした。乗客乗員167人が乗っていたが、けが人はないという。
 同空港事務所によると、同便は約40メートルオーバーランし、滑走路を外れ、草地に突っ込んだ。当時、雪が降っており、視界は悪かったが、同10時すぎに除雪を完了させたばかりだったという。同便の到着予定時刻は同9時15分だった。 


まずは、衛星画像。

8日午前0時から正午までの12時間。




続いて、8日正午から9日午前0時まで。




 この衛星画像から見るに、日本海上を渦を巻いて通過していくものがあります。低気圧です。 

 衛星画像を見た後に、次の8日19時の衛星画像からヒントを得ました。

12081000ZSAT.png


 夜の7時において、秋田山県の西に大きな雲の塊が、冬型気圧配置で典型として現れる筋雲の流れを乱して居座っています。

夜7時の低気圧の中心位置は、襟裳岬の南端あたりと解析されています。


ASAS_120815.jpg
8日午後3時の地上解析図

ASAS_120821.jpg
8日午後9時の地上解析図


 庄内空港の滑走路方向は東西にまたがる09/27、滑走路長は2000m。

低気圧が抜けて、夕方にはいったん荒れた風がおさまりました。

しかし、発達した低気圧の西側の雲域が脊梁山脈に阻まれ、また低気圧本体が急速に北東進したため、庄内空港では日暮れからまた荒れていたのではないかと考えます。

 予報の段階では、地上天気図と高層天気図やTAFなどを見ていると思われます。

TAFは今となっては入手できませんが、地上天気図や高層天気図では読み取れません。

等相当温位線図に解析されていたかもわかりません。

さて、次にMETARを列挙。

RJSY 080813Z 28016KT 5000 R09/0500VP1800D -SHRASN FEW002 SCT006 BKN015 01/M00 Q1001 RMK 1ST002 3ST006 7CU015 A2958 P/RR

午後5時13分、気温1度、露天温度M0度において、霙(みぞれ)です。

RJSY 080900Z 30018G30KT 260V330 5000 -SHSNRAGS FEW002 SCT006 BKN015 02/00 Q1002

RJSY 080909Z 28021G33KT 2000 -SHSNRAGS FEW002 SCT006 BKN010 01/M00 Q1002 RMK 1ST002 3ST006 7ST010 A2961 SNOW PELLETS

SNOW PELLETS・・・雪霰(ゆきあられ)

RJSY 081000Z 30020G35KT 280V340 9999 VCSH FEW006 SCT010 BKN025 02/00 Q1003

RJSY 081100Z 27023G34KT 9999 VCSH FEW010 BKN040 03/M04 Q1003

午後8時まで、みぞれや霰(あられ)が降り、夜の8時の気温は3度。

RJSY 081200Z 30016G27KT 8000 -SHSNRA FEW010 BKN040 02/M01 Q1003

RJSY 081235Z 33012G27KT 290V360 0500 R09/P1800N -SN BKN008 01/M02 Q1003 RMK 7ST008 A2964

RJSY 081245Z 33009G19KT 300V360 1000 R09/1600VP1800U -SN BKN008 00/M02 Q1004 RMK 7ST008 A2965

 ニュースから、この飛行機の定刻は9時ごろ、空中待機をしていたという。

たぶん、滑走路を閉鎖し除雪していたため着陸できなかったのではと考えます。

この除雪、気温が3度と高い時に行っているので、おそらくべちゃ雪。

そこに夜9時以降、視程が急激に悪化するほどの大雪。しかも気温も下がる、0度。

そして、滑走路の表面はつるっつるになった。


注意点:私の解析は推測と後出しじゃんけんです。事実とは異なります。

夜10時半に着陸しているのに、9時45分以降METARがないって、なんでだろう???

こんな厳しい天気なのに…


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11:41  |  航空機  |  TB(0)  |  CM(2)  |  EDIT  |  Top↑

当該機は21時半頃に着陸を試みて視程が悪く進入復行したようですね。
確かに視程500mだと着陸厳しいです。
フライトレコーダーによると着陸時の操作も特に問題なかった、と報道されてます。

そうなるとやはり、気温が低下したことにより急激に路面状況が悪くなった説が有力ですねぇ。

ちなみに、庄内空港の運用時間は22時までなので、METERも22時までしか出ないんだと思います。
22時を超えて着陸したのは、悪天候を理由に航空会社と空港が調整したのでしょう。
METERのシステムがどうなってるのかよく分かりませんが、気象状況を調べずに悪天候の中着陸することはありえませんので、恐らく管制官が直接パイロットに無線で気象状況を伝えたのだと思います。
飛行中年 |  2012年12月11日(火) 02:03 | URL 【コメント編集】

★大事にならず、よかったです。

天気を確認しないで降りるわけないですよね。

最近のドラマで、管制官が風速計を見ながらパイロットに伝えているシーンを見たこともありますし、タワーが伝えているのも聞いたことがあります。

METARを出さなくても、情報は伝わっているということが理解できました。ありがとうございます。
瑞翔 |  2012年12月12日(水) 04:17 | URL 【コメント編集】

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