気象予報士の航空気象 富士山の山岳波による乱気流?

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2012.12.12 (Wed)

富士山の山岳波による乱気流?

10日の14時から19時にかけて、富士山の風下にテーパリングクラウド(人参雲)のような雲が衛星画像から確認できます。

本来の人参雲と定義が違うので、そういうふうに見えるというだけです。




羽田のMETARを確認すると。

RJTT 100546Z 27010KT 9999 FEW035 09/M14 Q1006 RMK 1CU035 A2972 MOD TURB OBS AT 0530Z OVER TATEYAMA 10000FT BY B763

RJTT 100630Z 33007KT 300V010 9999 FEW035 09/M13 Q1006 NOSIG RMK 1CU035 A2972 MOD TURB OBS AT 0609Z 15NM W TATEYAMA BTN 13000FT AND 12500FT BY B738

RJTT 100800Z 33012KT 9999 FEW030 07/M11 Q1007 BECMG 27010KT RMK 1CU030 A2975 MOD TURB OBS AT 0734Z 10NM S TATEYAMA BTN 14000FT AND 12000FT BY B738

RJTT 101100Z 27005KT CAVOK 05/M13 Q1008 NOSIG RMK A2979 MOD TURB OBS AT 1030Z 10NM E OSHIMA BTN FL150 AND 12000FT BY B763 AND OBS AT 1045Z AROUND TATEYAMA BTN FL140 AND 12000FT BY B788 AND OBS AT 1049Z 5NM SE TATEYAMA BTN FL150 AND 12000FT BY B738


富士山の測候所は、たしか無人になって気温くらいしか測らなくなったという覚えがあります。


風速は高層観測から数値解析して、このくらいの風が吹いているだろうという計算値でしかないと記憶しています。


FBJPにおいて、精緻な数字を持ち合わせてはいませんが、個人的な経験則において、例えば冬場において富士山の風が30~40KTs以上予想されると、山岳波によるタービュランスが高度2000~18000FTまで予想されます。

他には九州山地の東側は高度2000~8000ft。

高知県は四国山地の風下は、高度2000~9000ft。

三重県は鈴鹿山脈と紀伊山地の風下で、2000~9000ft。

東北地方太平洋側は奥羽山脈の風下で、2000~10000ft。

いつもこの高度で予想がされている気がします。


 山岳波の定説として、安定成層の大気、すなわち上下の擾乱がない状態において、山にある一定の風があたると、その風下側に、重力を復元とする波(重力波)が現れ、気流は山を越えた際に励起されます。

以下、山岳波の過去の記事。
山岳波について


山の風下側で上下に振動し波打つように伝播するため、波状の雲として観測されることもあります。

書籍では、30ktを超えると乱気流が発生し、50ktを超えると厳しいものになっている可能性があると書いてあります。


 具体的に言えば、日本の透き通るような蒼い冬空の日に、富士山に笠雲やつるし雲ができ、その風下にロール雲やそれが連なった高積雲が観測され、その雲の周辺は大荒れということです。


 富士山は単峰であること、また風上側の気流が成層安定になる風向き、つまり中部山岳の影響を受けにくい北西風など、条件が揃うと富士山の風下に富士山直近から日本海で見られるような筋雲ができます。

 北西風という向きを富士山から引くと、ちょうど千葉県の館山市付近のやや南側になります。

このため、館山上空で富士山と同高度近辺で、大きな揺れが観測されたのではないかと思います。


 富士山を起点に気流が収束することと、山岳波の影響ではないかと、気象の分野で研究されている方がいるようです。

検索をかけると結構ヒットします。


12月1日においても、富士山の風下に筋状の雲が観測されています。






この筋状の雲は積乱雲と性質が異なるため、レーダーには映りにくく、またエネルギーをぎゅぎゅっと狭い高度の層の中に押し込めているため、乱気流としては要注意と言われています。

昔、空中分解した飛行機があったような・・・
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07:50  |  気象・天気  |  TB(0)  |  CM(3)  |  EDIT  |  Top↑

航空気象に関する仕事をしています。
昨今の情報管理の厳しい世の中ではあんまり仕事に関する内容はインターネット上に書きづらい雰囲気はあるのですが、書いても問題にならないように注意しつつ書き込んでます。

富士山頂の風向風速は一時間おきの時系列データが入手できるので、観測所で測定しているのだと思ってました。
ウィキペディアで調べてみましたが、確かに現在は観測してないみたいですね。

山岳波の影響については、風速の方は50kt以上で要注意という明確な基準があり、確かにこの風速以下で乱気流が発生することは経験上あまりないように思います。
ただし、50ktを超えていてもほとんど揺れないこともあり、この辺は大気が安定か不安定かが影響しているのではないかと個人的には思っています。

風向風速に関しては数値解析でかなり正確な把握ができていると思いますが、上空の気温に関しては12時間に1回、限られた地点でしか観測されていないため、運航の目安にできるほどの精度がないから注目されていないのかな?

衛星画像で見ると、確かに人参状の雲が富士山から湧いているな形で確認できますね。
ロール雲に関しては空気が上下して、空気が上昇した際に冷却されてできますね。
人参状の雲もロール雲ほどはっきりとした振幅ではないにせよ、空気が振動するときの上下動で雲になっているのかな?
雲ができるためには、富士山頂の12000ft前後の空気にそこそこの湿度が必要だと思いますが、人参状の雲ができるときとできないときで湿度に違いがあるのか分かれば面白いかと思います。
ただ、湿度も観測回数と地点が少ないので、数時間程度で消滅する現象と関連つけるのは難しいかもしれません。
飛行中年 |  2012年12月13日(木) 17:40 | URL 【コメント編集】

昨日20日の関東上空もよく揺れておりました。
更に揺れている高度も時刻と共に刻々と変わり、予測の難しい気象状態でした。
富士山の風も短時間で30ktから60kt程度まで変動しておりました。
ウインドシア域も気象庁予測よりも強まり、早く東へ移動していたようです。

日本時間18時、21時を予測するFBJPと、その後に出された同時刻の実況であるABJPの関東周辺の状況を見比べると、気象庁の予測も外れているのが分かります。

FBJPやABJPの過去のものって、一般にも見られるところはあるのかな?
飛行中年 |  2012年12月21日(金) 17:47 | URL 【コメント編集】

★12月20日の揺れ

METARを確認したところ確かに揺れていましたね。

RJTT 201200Z 01009KT 9999 FEW030 09/M00 Q1022 NOSIG RMK 1CU030 A3020 MOD TURB OBS AT 1144Z 20NM N CREAM BTN 11000FT AND 10000FT BY B738
RJTT 201130Z 03009KT 9999 FEW030 09/01 Q1022 NOSIG RMK 1CU030 A3019 MOD TURB OBS AT 1114Z 10NM NE HANEDA 11000FT BY B763
RJTT 201100Z 07007KT 9999 FEW030 09/01 Q1022 BECMG 36008KT RMK 1CU030 A3018
RJTT 201030Z VRB04KT 9999 FEW040 08/01 Q1022 BECMG 34008KT RMK 1SC040 A3018 MOD TURB OBS AT 1010Z 6NM S KAIHO 4500FT BY B738
RJTT 201000Z 04003KT 9999 FEW035 09/M00 Q1021 NOSIG RMK 1CU035 A3018 MOD TURB OBS AT 0940Z 10NM NW ADDUM BTN 11000FT AND 10000FT BY B763 AND MOD TURB OBS AT 0950Z 5NM S KAIHO 6000FT BY B772 AND MOD TURB OBS AT 0950Z 10NM NE HANEDA VOR BTN 9000FT AND 13000
RJTT 200930Z 03005KT 9999 FEW035 09/M01 Q1021 NOSIG RMK 1CU035 A3017 MOD TURB OBS AT 0924Z 5NM NW ADDUM BTN 10000FT AND 9000FT BY B737
RJTT 200900Z 19005KT 140V240 9999 -SHRA FEW030 SCT080 08/M01 Q1021 NOSIG RMK 1CU030 3AC080 A3016 MOD TURB OBS AT 0835Z KAMAT BTN 7000FT AND 10000FT BY B772
RJTT 200830Z 15006KT 9999 -SHRA FEW030 SCT080 07/M02 Q1021 NOSIG RMK 1CU030 3AC080 A3017
RJTT 200800Z 15004KT 9999 -SHRA FEW020 SCT030 08/M02 Q1021 BECMG 34008KT RMK 1CU020 3CU030 A3016
RJTT 200730Z 13004KT 100V190 9999 -SHRA FEW030 SCT080 08/M04 Q1020 BECMG 34006KT RMK 1CU030 3AC080 A3015
RJTT 200700Z 15004KT 110V200 9999 FEW030 SCT060 08/M05 Q1020 BECMG 34006KT RMK 1CU030 3SC060 A3014 MOD TURB OBS AT 0655Z 10NM SW PQE BTN 13000FT AND 10000FT BY B738 VIRGA ABT 10KM W-NW STNR

RJAA 201100Z 23002KT 9999 FEW030 00/M06 Q1022 NOSIG RMK 1CU030 A3020
RJAA 201030Z 22003KT 9999 FEW030 SCT110 M00/M06 Q1022 NOSIG RMK 1CU030 3AC110 A3020 MOD TURB OBS AT 1005Z SWAMP BTN 13000FT AND 8000FT IN DES B738 JAL864 AND MOD TURB OBS AT 1021Z 10NM SW VENUS BTN 13000FT AND 12000FT IN DES B763 ANA936
RJAA 201000Z 22003KT 9999 FEW030 SCT120 M00/M06 Q1022 NOSIG RMK 1CU030 3AC120 A3019
RJAA 200930Z 21002KT 9999 FEW030 00/M06 Q1022 NOSIG RMK 1CU030 A3018
RJAA 200900Z 21003KT 9999 FEW030 M00/M06 Q1021 NOSIG RMK 1CU030 A3017 LIGHT TO MOD TURB OBS AT 0843Z 50NM TO 40NM S NARITA BTN FL140 AND 11000FT IN DES B744 NCA254
RJAA 200830Z 16002KT 9999 FEW030 02/M07 Q1021 NOSIG RMK 1CU030 A3017

> FBJPやABJPの過去のものって、一般にも見られるところはあるのかな?

過去のものを見られるサイトはありません。
仮にあっても、FBJPのような予想図を資料として残しているところは稀です。
気象予報士会などの有料サイトなら、存在するかもしれませんが、入会していなのでわかりません。

自宅のPCをサーバー化して、あらゆる気象資料を集めるようなものを夢に描いていますが、期待しないでください。
瑞翔 |  2013年01月14日(月) 14:04 | URL 【コメント編集】

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