気象予報士の航空気象 ウインドシアー警報装置その3

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2009.04.01 (Wed)

ウインドシアー警報装置その3

 ウインド・シアーに遭遇した際に警報を発するGPWS(Ground Proximity Warning System)地上接近警報装置に組み込まれた装置は、予測はできません。

 なぜなら、航空機が遭遇している急激な上昇降下、増減速をもとに警報を発しているので現在、いやむしろ過去のウインドシアーに対し、警報を発する仕組みになっているからです。


 対し、予測できるタイプとは何を元に予測しているのか?


答えは、機上レーダーです。


 機上レーダーが着陸前に自動で作動し始め、およそ2分前から検知した気流の乱れを元に警報を出せるようになっているようです。


記事には

”同装置を装備する法的義務はないが、航空関係者は「滑走路近くで激しいウインド・シアが発生していた場合、同装置があれば、着陸を見送る判断をできた可能性もある」と指摘している。”

とあります。


はたして、そうなのか?


事故当日のMETARの時系列です。

222100Z 30013G28KT 260V330 9999 FEW020 13/M01 Q0998 NOSIG RMK 1CU020 A2948
午前6時 北西風7m 強風14m 視程10km以上 晴れ 気温13度 露点-1度

222108Z 31025G35KT 9999 FEW020 12/M01 Q0998 RMK 1CU020 A2949
午前6時8分 北西風13m 強風18m 視程10km以上 晴れ 気温12度 露点-1度 

222130Z 32026G40KT 9999 FEW020 12/M02 Q0999 WS R34L NOSIG RMK 1CU020 A2952 P/RR
午前6時30分 北西風13m 強風20m 視程10km以上 晴れ 気温12度 露点-2度
特記 滑走路34LでWS(ウインド・シア)発生

事故発生!

222200Z 31026G40KT 9999 FEW020 12/M02 Q1001 NOSIG RMK 1CU020 A2957 P/RR
午前7時 北西風13m 強風20m 視程10km以上 晴れ 気温12度 露点-2度

222230Z 30018KT 9999 FEW030 12/M03 Q1001 WS R34R TEMPO 31020G30KT RMK 1CU030 A2959 2218 MOD TURB BLW 500FT ON FNA RWY34R B767
午前7時半 北西風9m 視程10km以上 晴れ 気温12度 露点-3度
特記 滑走路34RでWS(ウインド・シア)発生、時々北西風10m強風15m、滑走路34R 500ft 着陸30秒前 でモデレート・タービュランス 機種B767


エマグラム23MAR00Z
23日午前9時 館野のエマグラム


 機上レーダーで検知するのは、水滴・雨粒です。おそらく、予測型のウィンド・シアーを警報する装置は、レーダーで湿った気流の乱れを検知する装置でしょう。

 乾いた気流はレーダーには検知できません。最近の地上設備である、ドップラーライダーなら、空気中のチリ・エアロゾールで検知可能ですが、機上のレーダーはあくまで湿った空気を対象としています。

 事故当日の低層は乾いています。

 気圧配置は発達中の低気圧が伴う寒冷前線が通過して数時間後、METARもエマグラムも乾燥していたことを証明しています。


結論
予測型のウィンドシアー警報装置を装備していても、警報は出なかった。

前後の航空機にウインドシアーの予測警報が出ていたのかまで調べてほしかったですね。


以下、ウィキペディアより引用

地上レーダー

ドップラー・レーダー ←ウィキペディアへ
 ドップラー・レーダー(Doppler radar)とは、ドップラー効果による周波数の変移を観測することで、位置だけではなく観測対象の移動速度を観測する事の出来るレーダーである。

 観測対象がレーダーから遠ざかっている場合にはドップラー効果により反射波の波長が長くなる。逆に近づいている場合には反射波の波長が短くなる。この波長の変化を測定することで、観測対象がレーダーサイトに対してどの程度の速度で遠ざかっているのか、もしくは近づいているのかを知ることが出来る。

 ただ、1台のドップラー・レーダーでは一次元的な動きしか捉える事が出来ないため、実際には複数台のドップラー・レーダーを用いて同時に観測(デュアル・ドップラー・レーダー観測)を行う事が多い。2台以上のドップラー・レーダーの観測結果を解析する事で二次元的な動きを捉える事が出来る。

 なお、レーダーサイトに対して水平に移動している場合はドップラー効果による周波数の変移が起こらないため、静止している場合と区別する事が出来ない。

 雲内部の降水粒子の移動速度を観測することで、雲内部の風の挙動を知ることが出来るため、気象観測に多く用いられる。特に空港においては、離着陸する航空機に対するダウンバースト(下降噴流)などの発生を把握するため、順次更新設置されている。アメリカでは竜巻対策としてドップラー・レーダーによる監視・警告システムが発達しており(気象機関・企業のみならず、かなりのテレビ局が自前のレーダーを所有している)、日本でも近年の竜巻の多発を受けて、気象庁が2008年3月より全国11ヶ所に設置したドップラー・レーダーによる「竜巻注意情報」の提供を開始した。

 航空機搭載用のドップラー・レーダーは、気象レーダーとしての他、対地速度を測定して航法に応用するためのものも多い。また特に戦闘機などではドップラー現象を応用して、地面と航空機を区別するためのパルスドップラーレーダーも搭載されている。


ライダー ←ウィキペディアへ
 ライダーとレーダーの最も基本的な相違は、ライダーはレーダーよりも遥かに短い波長の電磁波を用いることである。
 典型的には紫外線、可視光線、近赤外線である。一般的に、検出できる物体や物体の特徴のサイズは、波長を下回ることができない。
 従って、ライダーはレーダーよりもエアロゾルや雲の粒子の検出に向いており、大気の研究や気象学にとって有用である。


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